山行No.226 | 剣岳(1) 室堂から頂上まで | 1980/7/23〜7/26 |
室堂みくりが池温泉から、雷鳥沢、剣沢小屋、一服剣、前剣、カニの縦ばいを経て頂上2998mまで。 |
〔富山県中新川郡立山町、黒部市など〕
雨の日も多く、ベストコンディションではありませんでしたが、岩の殿堂、雪渓と黒部峡谷の秘境を、おっかなびっくり楽しみました。
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「地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図 25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第558号)」 |
22日松山観光港で登山姿の大阪の50代の男性、石鎚山(成就→ 頂上泊→面河道)からの帰り、とのこと。石鎚山の鎖を登れる人な ら、剣岳も登れます。3回登ったが全部霧だった、と。 |
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みくりが池。 近くのみくりが池温泉を 24日09:07出発。 雷鳥沢を経て、 別山乗越に向かいます。 |
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天気がよくありません。 何も見えませーん。 |
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近くのお花畑は、見えます。ハクサンイチゲやミヤマキンポウゲなど。 | |
テント場を通過。 | |
峠の剣御前小屋が11:30〜11:38。それより剣沢に下ります。 | |
剣沢の雪田で、 雪上訓練をしている一団が 見えます。 天気は相変わらずよくありません。 |
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24日劔澤小屋廊下で自炊中の若い夫婦。ニンニク放り込んだり、 豆のようなもの入れたり「最も手っ取り早いので・・・」。荷物は25kg くらい。これから雲の平、槍ヶ岳の方へ10日間の予定。「年に一回、 これを楽しみに生きてるようなもんですから」と。雲の平に一週間ほど 居たこともあったが、いいもんですよ、と楽しそう。 |
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別山乗越から一服剣に連なる 別山尾根が見えます。 残雪は豊富です。 |
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小屋の前から見た 前剣からつづく尾根の一部。 |
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劔澤小屋の星野貢さんは、世の中、何が面白いんぞ、というような 顔で、ものを言ってもブツブツ・・・・。ところが、その親切さは有名。 部屋割り、登山客の体調、コースのことなど大変な気の配りよう。 「あの人は、もうけ主義でないので、詰め込まない」とある小屋の 人が言っていた。 |
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雪田を横切って剣岳山頂に向かう登山者二人。 | |
劔澤小屋前で。 天気悪く剣の頂上は まだ見えません。 向こうは一服剣2618m。 (3/13追加分) |
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25日は天気悪く一服剣往復。やっと天候回復の兆し、前剣と剣岳(劔澤小屋前から)。 | |
親切な人が撮ってくれました。 後は、目指す前剣と剣岳2998m。 (3/13追加分) |
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すでに、トウヤクリンドウが 咲いています。 (3/13追加分) |
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クロユリはまだ蕾。 (3/13追加分) |
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クロユリの部屋で同室の家族連れ3人、夜行で千葉からの 入山。雷鳥沢では、たまたま我々と前後して登る。男の子は 高校生、受験勉強が気がかりで早く帰りたくて、剣本峰往復 4時間でぶっ飛ばす計画(標準は5時間半)をオヤジさん に勧めている。「お母さんは、もっと肉を落とさなきゃ・・・」。 結局、本峰をあきらめ立山三山に向かわれた模様。 |
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一服剣で咲いていた イワギキョウ。 (3/13追加分) |
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一服剣で50代の男性、ここで見物の人かと思ったら、「実は 迷っとるのです・・」と言いいながらも2時半頃、やっと本峰へ 出発。翌26日別山平で偶然出会ったので様子訊けば、「あ、 あの双眼鏡貸してくださった・・」と思い出し、無事5時頃帰っ てきました、と。 |
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26日05:35劔澤小屋を出発、剣岳山頂に向かいます。 | |
悪天候と、私の“尿路結石”のために 劔澤小屋に予定より1泊多く 24,25,26日と3連泊。 左側の、小屋を手伝っていた M.Nさんと懇意に。 これから働きに行く仙人池ヒュッテに 出発する彼女。27日にヒュッテで再会。 |
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M.Nさんは、神奈川県の元中学校教師。「うちにはミカンが 一杯あります」と言ってふと気づき、笑い出す(我々、愛媛県)。 一度ヘリコプターで仙人池ヒュッテに働きに、その後、用事で 一旦帰省。再度入山中、ヘリなら7分、歩いて2日がかり。 我々のコース聞いて「仙人池で待ってます」「色々なことが 知りたくて・・」先生辞めたのだそうだ。25,26日と忙しくて お風呂に入れませんでした。仙人池では、家内と裸のお付 き合いに。 |
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滑落停止訓練をしている人たち。 | |
シナノキンバイなどのお花畑の中を たどります。 |
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一服剣(2618m)から 前剣(2813m)を望む。 |
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25日同室の埼玉県のYさんとその弟さん、20代。扇沢から 入山。部屋で天気図書いていたら、邪魔をしてはいけないと 20分も外で待っていたらしい。25日午後、本峰を往復、我々 に「剣本峰で、怖くなかったら、大キレットもぜひやられるといい です」と。26日、仙人池へ。そこでM.Nさんへ住所・氏名など メモを預けていてくれる。27日、ハシゴ谷乗越し、内蔵助平経 て黒四へ下山。8月4日、丁寧な挨拶の電話をいただく。 |
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最下部、武蔵のコルから 前剣に至るまでの 登山道ガラ場の悪いこと。 大声がして、見れば、 大きな落石が落下中、 何人もの登山者が、 右、左と必死に逃げていた。 石はハイマツの中へ。 幸い誰にも当たらなかったようだ。 |
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前剣を過ぎて岩場にかかる。 | |
鎖は張ってあるものの、 落ちないようにね、 用心用心。 |
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前剣と違って、 岩が安定しているので助かる。 |
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平蔵谷雪渓。 数人のグループが登って来ています。 蟻のように中央部、見えますか。 |
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「カニの爪」というのは、あれかな・・・? | |
一心に登っている人もいれば、 向こうの岩棚で休憩、見物 している人たちもいます。 |
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八ツ峰に向かう雪渓上の3人、右のフェースには、取り付いている1パーティー。(3/13追加分) | |
はるか剣沢まで続く 平蔵谷の雪渓、 滑落したら止まらないよ。 |
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振り返れば、たどって来た岩場、 何人か続いてやって来ます。 |
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やって来ました最大の難所“カニの縦ばい”。下から上まで登山者が点点と・・。 | |
午前8時、いよいよ“縦這い”に 取り付きます。 |
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上を見ると、こんな調子・・・ | |
何か注文? (カニの縦ばいの途中から) (3/13追加分) |
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ボルトやチェーンがなかったら とても登れたもんじゃないね。 (カニの縦ばいを上から見れば) (3/13追加分) |
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“縦這い”を終え、振り返る、 やれやれ・・ |
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あの8人、もうやって来たよ。 (3/13追加分) |
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すぐ横では、帰りの“カニの横這い”。お嬢さん、体の向きが逆じゃないの・・・ | |
ここを越えれば、稜線だ。 | |
振り返ると、一服剣の右に 弥陀ヶ原も見えてきた。 |
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たどって来た岩尾根も、 はるか下になった。 |
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08:25、剣岳(2998m)頂上です。 劔澤小屋から2時間50分かかりました。 |
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やれやれ、と記念写真。 (3/13追加分) |
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すぐ左手に、源次郎尾根。 | |
天候もまずまず、 山頂で約1時間、眺めを楽しみました。 |
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向かいには、後立山連峰、 白馬、唐松、五龍、鹿島槍ヶ岳など。 |
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劔澤小屋のある剣沢を見下ろします。左手向こうは立山大汝山3015m、雄山3004mなど。 その上にわずかに覗くのが槍・穂高連峰。中央奥、ピラミッド型は岐阜県境の笠ヶ岳。 |
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右へ奥大日岳、大日岳へと続く尾根。 | |
岩尾根ではクライミングを やっている人たちも。 小さくて見えにくいです。 |
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弥陀ヶ原の向こうは、薬師岳(2926m)方面。 |
これから下らなければなりませぬ。つづきは→ 「剣岳(2)頂上から黒部渓谷水平歩道」(1746KB)へ
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